ビートルズ話し

はい、ホワイト・アルバムです。
まずこのアルバムは多種多様の曲が入っていて散漫ということがよく言われてますが、実は構成とかかなり吟味されてる感じがします。なによりレコードで見るとわかるんですが、溝に隙間がないんです。これ重要です。ということは曲間がない、繋がってるんです。ゆえに曲順とかかなり重要になってきますよね。このことからかなりコンセプチャルであることがわかります。

音自体はかなりシンプルですが、実はこのアルバムから8トラックになってるんです。それによりポールなんかは1人多重録音とかやってます。マジカルのように分かりやすい実験は見えないですが、結構オーバーダビングとかすごいです。バンドである必要がなくなりつつありますね。実際メンバーが顔を合わせて録音したのはほんの数曲しかない。バンドっぽいサウンドですが、一番バンドっぽくない録音の仕方かも。
あとはジョージ・マーティンが長期休暇により、クリス・トーマス(後にピンク・フロイドロキシー・ミュージックセックス・ピストルズなんか手がけてます)がエンジニアとしてかなり携わってる点も大きいかも。

それからリンゴが一時期脱退してます。バック・イン・ザ・USSRとディア・プルーデンスはポールがドラム叩いてます。
そして、ビートルズとしては初、女性ボーカルが入ってます。バンガロウ・ビルにヨーコが、バースデイのバックコーラスがヨーコ、パティ(ジョージの前妻)、リンダ(後にポールと結婚)。
また、エリック・クラプトンの参加もでかいでしょう。ビートルズの4人体制に異化作用が。

リンゴも初単独作品ドント・パス・ミー・バイを発表してます。
ジョン、ポール、ジョージ、リンゴがビートルズという枠を超えた一個人の表現を無理やりビートルズとして発表した感がありますね。マイナスなイメージですが、僕は4人が大人になり、独立したアーティストとしてたがう意見も出て来て、4人が完全に横並びになった作品として見ます。この横並び状態でビートルズが続いていればすごいことになったんじゃないかな。

そうそう、あと殺人事件が起きましたよね、チャールズ・マンソンヘルター・スケルターが有名ですが、その他の曲にも影響されてるそうです。ピッギーズとか。サージェントよりある意味ホワイトアルバムの衝撃度の方がかなりすごかったんじゃないかな。

レコードコレクターズのホワイトアルバム特集は面白いです。コメントで少しアップしたいと思います。

では曲解説です。個人的な感想です。まずA面から
バック・イン・ザ・USSRソ連のバンドがアメリカツアーにいって帰国する内容で、冷戦時代では結構過激ですね。
ディア・プルーデンスは女優のミア・ファーロウの妹のことで、インドで小屋にこもって瞑想している彼女に外に出ようよといってる曲。宗教からの離脱とか最近では引きこもりとかに直結しますね。
グラス・オニオンはセルフパロディー。いろんな曲が歌詞に出て来ます。
オブラディ・オブラダはレゲエです。目の付け所が早い。最後の変態ヴォイスが次にうまく繋がりますね。
ワイルド・ハニーパイはポールのお遊びで1人多重録音。変態です。ザッパとかボアダムスとかを連想します。
バンガロウ・ビルはいろんな説があります。一番好きな説はウィリアム・バロウズのことを言ってる説。"バンガロウ・ビル、お前は何を殺したの?"バロウズは奥さん殺してます。あと最初のギターは速回しらしい。
ホワイル・マイ・ギター・ジェントリー・ウィープス。ジョージの傑作ですね。クラプトン参加。この曲ジョージとクラプトンの共演来日ライブで体験しました。たしか14歳か15歳の時、東京ドーム。アンコールの1曲目。ジョージが”エリック・クラプトン!サイコー、ギター!”っていったのがいいです。
ハッピネス・イズ・ウォームガンはすごい。3つの曲を1つにした曲。リズム展開がすごい。ジョンって歌詞に合わせてリズムを作っているのでこんな無茶な感じになるんですね。

B面は次回。